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HR/HM系の音楽は昔はメインで聴いていた頃もあったが、今ではすっかり守備範囲から外れてしまっている。が、初期の Black Sabbath は別扱いである。もっとも、彼らの音楽がよりHR/HMらしい姿を見せるのは、もっと後の時期、故 Ronnie James Dio がボーカルの頃以降のように思える。
初期の Black Sabbath 、つまり Ozzy Osbourne がボーカルの時期に彼らが生み出した音楽は、重く引きずられるような陰鬱さを伴った独特なムードが特徴的だけれども、後に出てきた Doom / Stoner と呼ばれる種類の、彼らの特徴の一部をより特化・強化したようなスタイルのバンド達に比べると、オーソドックスなロック・ミュージックとしてのしなやかさを持っているように感じられる。
幾多のメンバーの変遷を経て、初期サバスとほぼ同等のメンツ(ドラムの Bill Ward は不在)が揃って届けられた新作「13」は、その初期サバスに近しいイメージで意識されており、中には原型が透けて見えるような部分もある。また、圧倒的なキメの曲には残念ながら恵まれなかったようだが、トータルとしてのクオリティは高く、好印象を持って日々繰り返しのリスニングに興じているこの頃だ。
雨の極端に少ない日々が続いているが、南海上には台風があり、湿った空気が流れ込んでいる。この雰囲気を吹っ飛ばすべく取り出した1枚。一見すると爽やかな音が聞こえてきそうなスリーヴ・デザインなのだが… カフェのBGMにはならないので要注意。重くまとわりつくようなノイズの流れが、部屋の空気を一変させる。DoomやDroneと形容され、メタル系音楽の亜種という文脈で語られるが、もう少し違った地平が見えるように思う。
Earth / Earth 2 - Special Low Frequency Version
レーベルはあの Sub Pop。93年の作品なので、もはや20年も経っている。